Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しょうかまんぴつ

銷夏漫筆

辰野 隆

Leggi 銷夏漫筆 (しょうかまんぴつ) di 辰野 隆 (たつのゆたか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 1865 caratteri · 4 schermate

Aozora Bunko

始めから終りまで妙に気がさして観ていられなかった。一座の俳優の芸が観ていられないのではなく、僕等の翻訳の拙さ、甘ったるさが――原文も無論だが――どうにもこうにも我慢が出来なかったのである。

一体、翻訳は自分の柄に合ったものを択ばないと、どうも後口が悪くていけない。

『愛する』に比べると、『エロディヤス』や『水の上』乃至『狂女』の方は訳していて楽しかった。殊にモーパッサンはフローベールよりは遥かに易いので、訳していても気が楽であった。原文で読んでもフローベールより、ぐっと呑気な気持で読み流せるのが僕等にはありがたいのである。

今年の夏も、午食後には、一時間か二時間、ひるねをすることに決めていたが、時々ひるねの前にオルランドルフ版の『モーパッサン全集』の一冊を書架から取り出して来て、一二篇ずつ読んだ。その中でも『トワーヌ』という田園コントが、天来の滑稽味があって、堪らなく可笑しかった。この話は河出書房の傑作集の中にも訳されているが、その筋は、楽天家で饒舌で酒好きの亭主が中風で寝釈迦になってしまう。口やかましくて、働き者の古女房が、亭主をただ寝かして置くのも無駄だと思って、試しに、鶏の卵を病夫に抱かせると、数日の後にそれが見事に孵って布団の中から雛が幾羽も飛び出したというのである。