Classici giapponesi con furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
って云うのはあの方だ」とは口さがない召使のかげ口半分はあう□□□□半分はうそのようなはなしで有る。妹の君は紫の君と云って今年ようやっと十六、もの事のよくわかった、姿のきれいなしっかりした情深い姫君で有る、「瓜を三角にきってもこうはちがいますまいものをネー」かげ口で有る。
「先代をくわしく知るものはないがなんでも都の歌人でござったそうじゃが歌枕とかをさぐりにこのちに御出なさってから、この景色のよさにうち込んで、ここに己の骨を埋めるのだと一人できめて御しまいなされ京からあととりの若君、――今の殿が許婚の姫君と、母君と弟君をつれて御出なされて間もなく先代は御さられ、今の殿が寝殿に御うつりになったと云うはなしでござりまするが」京から来る旅商人などにきかれてこの土地の一番年よりかぶの爺はこうこたえるのがつねで有った。
二人の女君もうとしごろ弟君も、比まれに姿も心も美くしく生い立ったので「よいよめ良いむこなりともさがさねばならず……」あとにのこった若い殿の後見をしながら段々年頃になって行く大切の三人の片はつけずばならず、末の長い弟君にも出来るだけ出世をさせたしと年をとってよけいに苦労性になった後室はそのことばっかりを苦にやんで居る。