Classici giapponesi con furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
正坐にかまえて都人の華奢な風を偲ばせて居るのは殿、その下坐に弟君、かかり人までこの宴にもれず、仮面もかぶらずにひかえて居る、それからは年の順、役の順に長年忠義劣りない家の子、家臣の一番上坐に、殿のみどり子の時からつかえて今に尚、この頃めずらかな業物を腰にうちこんで領地の見まわり、年貢のとりたてと心をくばる御主大切に自分の命を忘れて居る老人、さっきまでの苦労を夢のように、しわの深いかおに笑をあふれるほどたたえて成人した殿兄弟をながめて笑つぼに入って居る、この老人もこの席の中では目出つ人の一人で有るが明星の前の太陽のようにまばゆいほど目出つ二人の君が居る、一人は弟君、一人は紫の君で有る。家族の中の男どころか世の中すべての男よりも勝った美くしさとやさしい思をこの胸にたたんで居る弟君は誰もその名親のつけた名を云うものはなくてこの頃噂にたかい物語の主人公の名をそのまま呼んで「光君」、二十を一つ前の花ざかりの年で有る。
殿の左かわには後室北の方、二人の姫、女房達花をきそって並んで居る、いずれも今日をはれときかざって念入りの化粧に額の出たのをかくしたのもあれば頬の赤さをきわ立たせた女も少くなくない。