Classici giapponesi con furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
と涙を流して拝む様にしてたずねても只、
「何ともない、時候の変り目で着衣もうすくなったし、又私のいつもの夏やせだから心配しないで御呉れ」
と云う許りで日許り立って行った。山の手の家から時々来る使はいつも必ず母君と常盤の君の手紙を持って来るのであった。三日目の今日来た男は例の手紙を取り次の女に渡しながら、
「お前さんはここに居る事だから知りなさるまいがこの頃常盤の君はお腹の工合が変でネ、そのこんど生れる嬰児をおっつけられると困るのであの御兄弟もこのごろはいたちの道切りと云うわけなので、おっつける人を今から一生懸命にあさっておいでになると云うことだ、いやはや恐ろしいことだ、桑原桑原」
と云って居るのが部屋が浅いので光君の耳まできこえた。持って来た手紙はいつもの様にいや味たっぷりなものであった。光君はそれをポイとわきになげて再び見ようとは一寸も思われなかった。この間の夕にあの美くしい女君の口から、
「心から」
と云う言葉をきいてから光君は悲しみのあまり驚きのあまり、この頃は魂のぬけた様に何を考えて云おうとしても思は満ち満ちて居ながら順序を立てて言葉に云うことは出来ないほどになってしまった、それで居て、