Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
その小さい虫は光君の目に糸をつけて時々紫の君の方にひっぱる、見る毎にそのかがやかしさはますますます、花の精が管絃の声にさそい出されて現れたのではあるまいかそれとも又春の月姫が天下ったのでは? と讚美する口葉の、丁度したののみつからない光君の心は人の世、この世の中にないものにまでそのめでたさをたとえて居たが若い頭の中を一っぱいに占領してはげしい形容詞をもとめて居る、美くしいと云う感情を満足させる事は出来なかった。紫の君の何も思わぬげなおっとりした目を見たせつなに「今に私の人になる人なんだ」
と思った光君の瞳はもえるようにかがやき初めた、その光のあるその目の前には美くしい、可愛い、忘れられない紫の君の姿をやわらかく包んでかげろうがもえて居る。そのかげろうの戦といっしょに光君の心もかるくうれしさにおののいて居る。夢のように、いつの間にか今日の名残の春鶯囀も終って、各々の前には料紙、硯石箱が置かれた、題は「花の宴」
頭を深くたれて考え込むものもあれば色紙の泣きそうな手で遠慮もなくのたらせるものもある。書かれる可は三十一文字だか四文字だか分らないがその勢は目立ったもので有る。