Classici giapponesi con furigana
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にしきぎ
錦木
宮本 百合子
Leggi 錦木 (にしきぎ) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 52.481 caratteri · 103 schermate
いくら仏の道に入っても物食いでは生きていられぬ人間の僧、まして近頃は生きて居るかてよりも多くかがやくものをのぞむ僧も一人や二人ではない。その引出ものを目的に、もらったあとは野となれ山となれ、仏を金の道具につかって「私は諸国修業の僧でござります。若君の御不吉をききまして親御の御かなしみも察せられ出来るかぎりは仏にもねがって見ようと存じまして」
殊勝げなかおをして人に通じれば、すぐに持仏堂、経をよみながら胸の中では引出ものの胸算よう、思わず気をとられて経文を一回間違いびっくりきづいてせきばらいにごまかしてモニャモニャモニャそれでも傍の人は知らぬかおをして居る。やがて一時間よむところは三十分にちぢめて珠数をつまぐって今更のように仏にいのるのは、
「なにとぞ引出物の沢山ございますように」
と云うことばかりで有る。うやうやしく女のもち出した引出ものを一度はとびかかりたいのをがまんしての辞退、心の中でひっこめるきづかいなしと思ってなのである。こんな犬のような僧も少なくはなかったが、心から、その若君の上をねがったものは必ずしも一人や二人ではなかった。
馬鹿な子ほど可愛い親心、まして心も見めも美くしい我子が急に物狂おしくなったのを見て居る母君の心は却って自分の気が狂いそう、またたく燭の灯にその枯れたようなかおをてらしながら