Classici giapponesi con furigana
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かぎやのつじ
鍵屋の辻
直木 三十五
Leggi 鍵屋の辻 (かぎやのつじ) di 直木 三十五 (なおきさんじゅうご) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.524 caratteri · 25 schermate
も含まれてきたのである。
寛永九年三月、
「川合又五郎と申す者は一夜の宿を貸し候とも二夜と留置き候者は屹度(きっと)曲事(くせごと)に行わるべき者也」
という御触れが出て又五郎は江戸に居られなくなった。これは一方の池田公が暴死したから、旗本を押える為めの御触れである。こうなれば四郎右衛門も匿まっておけない。江戸を出るとすれば池田家の誰が討たんにも限らぬし、郡山(こおりやま)名代の剣客、数馬の姉聟(むこ)である荒木又右衛門が助太刀に出ているというから又五郎は危い。寛永の頃の武士気質(さむらいかたぎ)は未だ未だ大したものであった。荒木と同家中であって又五郎の叔父に当る川合甚左衛門が浪人して又五郎の為めに助太刀にくるし、又五郎の妹聟桜井半兵衛も、
「見ず知らずの旗本さえあれだけの事をしてくれるに縁につながる自分が出ぬ法は無い」
と戸田左門氏鉄(うじかね)の家中で二百石を領していた知行を捨てて加わって来た。この桜井半兵衛は十文字槍の達人で、霞構(かすみがま)えと来たら向う所敵無しと称されていた者である。家中では霞の半兵衛という綽名(あだな)の出来(でき)ている位槍をもたしては名誉の武士であった。