Classici giapponesi con furigana
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に、さんば――じゅうに、さんば
鏡花短篇集
泉 鏡花
Leggi 鏡花短篇集 (に、さんば――じゅうに、さんば) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.305 caratteri · 66 schermate
」
「花は全くあったんですが、何時もそうやって美女ヶ原へお出の事だから、御存じはないでしょうか。」
「参りましたら、その姉さんがなすったように、一所にお探し申しましょう。」
「それでも私は月の出るのを待ちますつもり。その花籠にさえ一杯になったら、貴女は日一杯に帰るでしょう。」
「否、いつも一人で往復します時は、馴れて何とも思いませんでございましたけれども、じお連が出来て見ますと、もう寂しくって一人では帰られませんから、御一所にお帰りまでお待ち申しましょう。その代どうぞ花籠の方はお手伝い下さいましな。」
「そりゃ、いうまでもありません。」
「そしてまあ、どんな処にございましたえ。」
「それこそ夢のようだと、いうのだろうと思います。路すがら、そうやって、影のような障礙に出遇って、今にも娘が血に染まって、私は取って殺さりょうと、幾度思ったか解りませんが、黄昏と思う時、その美女ヶ原というのでしょう。凡八町四方ばかりの間、扇の地紙のような形に、空にも下にも充満の花です。
そのまま二人で跪いて、娘がするように手を合せておりました。月が出ると、余り容易い。つい目の前の芍薬の花の中に花片の形が変って、真紅なのが唯一輪。