Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ながさきのいんしょう

長崎の印象

宮本 百合子

Leggi 長崎の印象 (ながさきのいんしょう) di 宮本 百合子 (みやもとゆりこ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.996 caratteri · 28 schermate

Aozora Bunko

頭をのっけると鶴の鳴声が致しますんだそうです」

頼山陽が、その鶴の枕を鳴して見て、出来た詩がその家の宝になって有る由。

――長崎というところは、然し不思議なところだ。鹿児島から着いた時、ジャパン・ホテルにいた数時間、実に堪え難い程町じゅうにはびこる物懶さ、眠さ、不活溌を感じたが、一日一日、滞在の日が重るにつれ、逆に快い落付きを感じて来た。降りこめられ、宿の三階で午後を暮しても、そこが旅先の泊りであるという遽しさ、寥しさなどちっとも感じない。町の空気に、それ位ひろい伝統的な抱擁力がある証拠と思う。

いよいよ今日は立たなければならないという日。雲は断れたが、強い風が出た。すっかり霽れ上ったというのでもない。思い出したように大粒な雨が風と一緒に横なぐりにかかる。

Y、

「――だから、貧乏旅行はいやさ」

苦笑せざるを得ない。自動車で大浦天主堂に行く。松ケ枝川を渡った山手よりの狭い通りで車を下り、堂前のだらだら坂を登って行く。右手に番小屋が在る。一人の爺さんと、拝観に来たらしいカーキの兵卒がいる。私共は、永山氏からの名刺を通じた。

「日本のお方か、西洋のお方か、どちらへやるかね」