Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ながさきのかね

長崎の鐘

永井 隆

Leggi 長崎の鐘 (ながさきのかね) di 永井 隆 (ながいたかし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 65.109 caratteri · 131 schermate

Aozora Bunko

その夜

学生、看護婦の八割は死んだらしい。生きている者も傷者が多く、今この上の丘で活曜をしている外科を中心とする一団と、裏門付近で働いている皮膚科・小児科を中心とする一団を合わせても、元気な者は五十名くらいだろうという。基礎医学教室は全員絶望との話だから、大学は人的にも物的にも全滅したと認むべきである。丘の上に立って燃える大学の最後の姿を見下ろしている私たちは、まさに昭和の白虎隊だった。

大倉先生が病室から白い大きなシーツを取り出してきた。私は自分の頤から垂れ下がっている血餅をむしり取って、それで大きな日の丸を染めつけた。竹竿にこの一坪余りの日の丸をくくりつけて押し立てると、熱風が吹きつけてはたはたと大きく鳴った。腕まくり、白鉢巻の長井君がそれを両手に掲げた。黒煙のなびく丘を血染めの日の丸が上がる。私らは粛々としてそれに従った。時に午後の五時。かくのごとくにしてわが長崎医科大学は戦に敗れ、灰燼に帰したのである。

その夜

私たち教室員はうち揃って学長の寝ておられる畑へ行った。芋畑の隅に外套をかぶり、丸くなって雨にぬれておられるのを見て、つい涙が出た。調教授を中心とする医員学生の一団が駆け回って手当てに忙しい。