Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ちょうじゃ

長者

田中 貢太郎

Leggi 長者 (ちょうじゃ) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2532 caratteri · 5 schermate

Aozora Bunko

「小児の死んだのは、其の罰であろうか」

「罰でございますとも、これは早く大師様にお詫びをしなければ、小児ばかりか、貴殿も其の罰で地獄へ落ちます」

長者は老僧の詞に驚いて、其の日から家を出て、弘法大師の巡錫していると云う四国八十八箇所の納経所納経所を目的に尋ねて往った。

そして、初めには納経所の順を追うて廻りながら、路々人に聞くと、「それらしい旅僧は、昨日通った」とか、「其の人は昨夜此処で泊った」と云うばかりで、幾等急いでも、また夜も睡らずに歩いても追っつけなかった。

其の内に二三年の日が経って、二十二回も廻ったが、どうしても逢えないので、二十三回目には考え直して逆に廻っていると、ある山の中でぴったりと往き逢った。

「おお大師様」と云って、長者は杖を投げ捨てて其の前につくばった。

大師は長者の家へ往った時と少しも変らないような容をしていた。

「自己の罪業が判ったと見えるな」

「よく判りました、どうか罪業が消滅するように、引導を渡してくださいませ」

「それでは直ぐ彼の世へ往っても好いと云うのか」

「罪業が消滅することなれば、どうぞ彼の世へやってくださいませ」

「そうだ、倉に満ちた金銀財宝に心が無くなれば、現世に用はなかろう、望み通り彼の世へやってやろうが、来世には何になりたい、望みがあれば叶えてやる」