Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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おかめ

阿亀

豊島 与志雄

Leggi 阿亀 (おかめ) di 豊島 与志雄 (とよしまよしお) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6900 caratteri · 14 schermate

Aozora Bunko

――ほほう。

こちらの台で、二人の青年が球を撞いていた。あちらの台では、色の黒い中年の男が、ゲーム取りの女を相手に遊んでいた。

「どうです。」

木谷はもう僕なんかには構わずに、つかつかとあちらの台の方へ進んでいった。

「やあー、今相手がないものですから……。」

「止しましょうか。」

男の言葉を引取って、顔はまずいが眼付の甘ったるい女は、ぱっとキュー先で球を乱してしまった。男の黒い顔は、黙ってにやにやしていた。

「何だい、急に……僕が来たからって……。」とは云いながら、木谷はもうキューを取りかけていた。「佐竹君、君先に一つ……。」

「いや僕は、見物の方がいいや。」

「そう。じゃあ失敬して……。」

そして、木谷と男がゲームを初めてるうちに、僕は水を一杯貰って、飲み終ったコップを横手の小卓へ置きにいって、振向いたとたんに、彼女とぱったり眼を見合してしまった。

彼女……というのは、入口に近い窓際の長椅子に坐っている、服装から髪恰好まで一寸生意気な、どこかつんとした調子のある、二十二三の女だった。それが、よく見ると、僕が行きつけのカフェーに以前いた、お久という女給だ。