Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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いんえいらいさん

陰翳礼讃

谷崎 潤一郎

Leggi 陰翳礼讃 (いんえいらいさん) di 谷崎 潤一郎 (たにざきじゅんいちろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 31.020 caratteri · 61 schermate

Aozora Bunko

能においては、衣裳の外へ露われる肉体はほんの僅かな部分であって、顔と、襟くびと、手頸から指の先までに過ぎず、楊貴妃のように面を附けている時は顔さえ隠れてしまうのであるが、それでいてその僅かな部分の色つやが異様に印象的になる。金剛氏は特にそうであったけれども、大概の役者の手が、何の奇もない当りまえの日本人の手が、現代の服装をしていては気が付かれない魅惑を発揮してわれ/\に驚異の眼を見張らせる。繰り返して云うが、それは決して美少年や美男子の役者に限るのではない。たとえば、日常われ/\は普通の男子の唇に惹き付けられることなどは有り得ないが、能の舞台では、あの黝ずんだ赤みと、しめり気を持った肌が、口紅をさした婦人のそれ以上に肉感的なねばっこさを帯びる。これは役者が謡いをうたうために始終唇を唾液で濡らす故でもあろうが、しかしそのせいばかりとは思えない。また子方の俳優の頬が紅潮を呈しているのが、その赤さが、実に鮮やかに引き立って見える。私の経験では緑系統の地色の衣裳を着けた時に最も多くそう見えるので、色の白い子方なら勿論であるが、実を云うと色の黒い子方の方が、却ってその赤味の特色が眼立つ。