Classici giapponesi con furigana
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かげろうざ
陽炎座
泉 鏡花
Leggi 陽炎座 (かげろうざ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 33.381 caratteri · 67 schermate
」
と饂飩屋は吐出すように云う。成程、羽織を着たものは、ものの欠片も見えぬ。
「可ければ、私のを貸してあげるよ。」
美しい女は、言の下に羽織を脱いだ、手のしないは、白魚が柳を潜って、裏は篝火がちらめいた、雁がねむすびの紋と見た。
「品子さん、」
紳士は留めようとして、ずッと立つ。
「可いのよ、貴方。」
と見返りもしないで、
「帯がないじゃないか、さあ、これが可いわ。」と一所に肩を辷った、その白と、薄紫と、山が霞んだような派手な羅のショオルを落してやる……
雪女は、早く心得て、ふわりとその羽織を着た、黒縮緬の紋着に緋を襲ねて、霞を腰に、前へすらりと結んだ姿は、あたかも可し、小児の丈に裾を曳いて、振袖長く、影も三尺、左右に水が垂れるばかり、その不思議な媚しさは、貸小袖に魂が入って立ったとも見えるし、行燈の灯を覆うた裲襠の袂に、蝴蝶が宿って、夢がとも見える。
「難有う、」
「奥さん難有う。」
互に、青月代と饂飩屋が、仮髪を叩いて喜び顔。
雪女の、その……擬えた……姿見に向って立つ後姿を、美しい女は、と視めて、
「島田も可いこと、それなりで角かくしをさしたいようだわ……ああ、でも扱帯を前帯じゃどう。