Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつぜにがたへいじ

随筆銭形平次

野村 胡堂

Leggi 随筆銭形平次 (ずいひつぜにがたへいじ) di 野村 胡堂 (のむらこどう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 4840 caratteri · 10 schermate

Aozora Bunko

もう一つ私は、父親のすすめで法律を学ぶことになり、嫌々ながら法科大学に籍を置くことになったのであるが、なんとしても法律というものが好きになれず、愚図愚図しているうちに父親に死なれて学費の途を失い、四十年前のアルバイト学生として漸くその日の糧を得ているうちに、大学へ出す月謝の期限を忘れて、待てしばしの用捨もなく除名になってしまったのである。その頃の官立大学は、お金のことというと、高利貸の如くやかましかったものである。

近代法の精神は、行為を罰して動機を罰しないことになっている、が、我々が描くところの捕物小説においては、行為を罰せずに、動機を罰してしばしば溜飲を下げているのである。学者や実際家が見たら、随分馬鹿馬鹿しいものかもしれないが、小説の世界ではそれくらいのことは大目に見られているのである。

捕物小説の楽しさは、この近代法の精神を飛躍した、一種のヒューマニズムにあるのかもしれず、奔放な空想のうちに、自分勝手な法治国を建設する面白さにあるのかもしれない。捕物小説国では、世界のいかなる法律も罰することの出来ない、偽善者や悪人を捉えこれを縦横に翻弄して、巧みに隠された、「悪性」