Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.786 caratteri · 278 schermate
春山和尚というと、ひどく老僧らしいが、武蔵の晩年、熊本に落着いていた頃は、まだ春山は三十代ぐらいな若僧であったろう。細川家の菩提寺でありまた帰依している大淵和尚が小倉から連れて来た弟子である。武蔵はこの若い禅家のお弟子をひどく愛して、晩年の無二の友達として迎えていた。
よほど心契の友であった証拠には、彼はこの春山へ、死ぬ前に自分の愛刀を一腰、遺物分けしている。その刀は、後に子飼男爵家の珍襲する所となったが、大和の国宗の作で刀身二尺二寸、裏銘に――大宝二年八月と入っている古刀の逸品で、愛刀家の垂涎しそうな名作である。
以上の他にも、武蔵が吉岡伝七郎を斬った刀というのが伝わっている。慥か津村男爵の家蔵だったかと思う。これは鍔先三尺八寸という大太刀で、熊本の武蔵顕彰会本の写真にまで出ているが、その武蔵との縁故や由来はともかくとして、吉岡伝七郎をこれで斬ったという説はすこし牽強附会に過ぎると思う。彼が、伝七郎と試合したのは、二十一歳の若い頃だし、その同年には、例の洛外下り松の辻で、吉岡一門の大勢と暴戦しているのであるから、その刀が、たとえ後に手入れをしたにせよ、満足に残っているわけはない。