Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ みやもとむさし
随筆 宮本武蔵
吉川 英治
Leggi 随筆 宮本武蔵 (ずいひつ みやもとむさし) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 141.786 caratteri · 278 schermate
結局京都が分り難いという方がわるいので、僕がまだ京都をまるで知らないのであるかもしれない。
それを愍然に思ってくれたのか、曾根の星ヶ岡茶寮のN君が、一日、自家用車でやって来て、きょうは京都をお見せしてあげましょうという。
N君は、東京の星ヶ岡茶寮の主人公でもあるし知己になったのもそこなので、もちろん東京人と思っていた所が、わたくしはこれでも生ッ粋の京都人ですよと誇ってわらう。まさか今さら祇園や銀閣寺へひっ張り廻しはしませんから安心していらっしゃいともいうのだ。こちらも信頼しないわけでは万々ない。だが生憎、その日自分はぜひ行きたいべつな目的を持っていたのである。今新聞に書きかけている宮本武蔵の遺跡の一つを尋ねてみようという肚なのだ。その宿題を持ってからでも、京都へは三、四度も出かけていたが、いつもいつも前に云ったとおり、蝸牛が盥のふちを歩いているような旅行ばかりして帰ってしまうので、実はこんどこそ密かに誓っていたことでもあるし、かたがた紙上で日々すすんでいる小説の宮本武蔵が、もうやがて近いうちに、その遺跡をテーマで踏みにかかる日も迫っていたので、そこを書く要意のためにも、これは遊びでなく仕事である、何は措いても今日は行ってみようと思い立っていた矢さきでもあった。