Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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ずいひつ しほんたいへいき

随筆 私本太平記

吉川 英治

Leggi 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.947 caratteri · 114 schermate

Aozora Bunko

この巻では、まださして活躍していないが、忍ノ大蔵などはそっくり作った人物である。当時の忍とか、密偵網のありかたなどを現すために必要だった。そのほかで、毛利時親(吐雲斎)にせよ、覚一法師にせよ、実在の人物で、その素姓年代などもそれぞれ史的根拠によって描出している。しかし断わっておかねばならぬ。実在といっても、いわばそれらの世に知られない白骨は、作家がその白骨に、作家の血をかよわして、ものいわせ、行動させてみるほかは、これを今日に再現してみる手段はない。――おなじことは、史上厳然たる後醍醐天皇にも、正成、尊氏、義貞。また北条高時その他、公卿、武門のかぎりない登場人物についても一様にそういえる。

事件の、……たとえば後醍醐の隠岐送りの日とか、時間とか、また天候までも、当時の公卿日記などに参照して、明白なかぎりはそれを踏襲している。ただとかく宮廷関係などの事蹟は、いたずらに記述がわずらわしいので、省略に省略してあるのはいうまでもない。またいつもかならず読者から何かのご注意がくるのは、作品の内容が必然な郷土関係に入るときである。ちょっとまちがうと郷土の読者にはがまんがならないことらしい。