Classici giapponesi con furigana
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ずいひつ しほんたいへいき
随筆 私本太平記
吉川 英治
Leggi 随筆 私本太平記 (ずいひつ しほんたいへいき) di 吉川 英治 (よしかわえいじ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 56.947 caratteri · 114 schermate
その二十六
日本の暗黒期に生涯しながら、日本芸能史上にその名を、はぶくことのできないほどなものにし、しかも後醍醐よりも、尊氏よりも、長生きをして、畳の上の大往生をとげた道誉。とにかくケタはずれな男だったにちがいない。
藤夜叉は、私の創作人物だが、この近郷は、狂言のふるさとといってよい田楽の発祥地で、例の有名な「釣り狐」の狂言は、この寺の縁起から興ったもので――と住持は語りながら私たちへ抹茶をすすめた。(三六・四・一)
その二十六
まだ話も多いが、道誉のことは、いずれ他日の小説にゆずッておく。
ところで、私たちは勝楽寺の帰途、ひょんな目に遭った。小さい遭難といっていい。寺を出るとすぐ両がわ田ンぼの一本道で急に一行の車がうごけなくなったのだ。行くときには坦々と走れた道が、わずかなまに、全面、畦草の土塊だの石コロに変ってしまい、約半キロもそれが続いている。――一体これはどうしたことか? 一時は立ち往生のほかなかった。――が、あとで土地の通信部から事情を聞けば「オヤオヤ、ここらはまだ南北朝か」と、腹をかかえて笑うほかなかった。
従来、寺と村民の一部との間で、何かイザコザ事でもあったとみえる。