Classici giapponesi con furigana
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かりさかごえ
雁坂越
幸田 露伴
Leggi 雁坂越 (かりさかごえ) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.263 caratteri · 28 schermate
浪ちゃんだってあの禽のように自由だったら嬉しいだろうじゃあないか。」
と云うと、お浪はまた新に涙ぐんで其言には答えず、
「それ、その通りだもの。おまえにやまだ吾家の母さんだのわたしだのが、どんなにおまえのためを思っているかが解らないのかネエ。真実におまえは自分勝手ばかり考えていて、他の親切というものは無にしても関わないというのだネ。おおかたわたし達も誰も居なかったら自由自在だっておまえはお悦びだろうが、あんまりそりゃあ気随過ぎるよ。吾家の母様もおまえのことには大層心配をしていらしって、も少しするとおまえのところの叔父さんにちゃんと談をなすって、何でもおまえのために悪くないようにしてあげようって云っていらっしゃるのだから、辛いだろうがそんな心持を出さないで、少しの間辛抱おしでなくちゃあ済まないわ。」
としみじみと云うその真情に誘い込まれて、源三もホロリとはなりながらなお、
「だって、おいらあ男の児だもの、やっぱり一人で出世したいや。」
と自分の思わくとお浪の思わくとの異っているのを悲む色を面に現しつつ、正直にしかも剛情に云った。その面貌はまるで小児らしいところの無い、大人びきった寂びきったものであった。