Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
」
「はい。毎度ありがとうござい――」
小僧はもういりそうもないおかみさんのかいがいしさに兵六さんは少々がっかりした。それでも勇をふるって、
「大旦那は、いますかね。」
「あ、今すぐきますよ。」
いいも終らぬうちに隠居は見知らぬ男と一しょに裏の倉庫の方から出てきた。男はほうきの卸屋だったらしく、店の前にあったほうきを積んだ車をひいて帰っていった。
「さ、鷲さん。どうぞ、どうぞ。まあこっちへ。」
あいそのよい隠居にさそわれてあがりがまちへ座ぶとんまで出されると、兵六さんはつい、われにもなく涙ぐんでいた。
その翌日である。
――ええ、ほうきはいかがです、ほうき。お座敷ぼうきにしゅろぼうき。上等で安いほうきはいらんかね――
この呼声をきのう三河屋の隠居は何度も自分でいってみて、伝授してくれたのだが、実地にあたってみるとそうたやすく声になって出てくるものではない。
――ええ、ほうきはいらんかね、ほうき。お座敷ぼうきにしゅろぼうき……
兵六さんはそれを家並のとだえたところでいってみる。何のいんねんか、ほうき屋のあとへたずねていったために、荒物の商いもしている三河屋の隠居はさっそくの思いつきでほうき売りをすすめたのである。