Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
戦争ごっこにしろ、どろぼうごっこにしろ、ピストルのない彼はいつだって殺され役にばかりなっているのだ。一ぺんぐらい買ってくれたってよさそうなものと、その限りではいつも母や姉を恨んでいたのだ。今日こそと思ってもち出したのに、音枝はやっぱり首をふり、
「それはごめんだね。アイス・クリームがいいでしょ。」
彼はアイス・クリームにも魅力がある。しかし、アイス・クリームはだまってたって、買ってきてくれるおみやげの種類である。そう思うと彼のくちびるは自然にとがり出し、
「いらない。アイス・クリームなんか。」
むくれてみたが、音枝はいつものように別の条件も出さず、
「そうお。じゃあ仕方がない。たのまないわ。うちへ泥坊がはいってもいいなら、遊びにいってもいいわよ。」
そういってさっさと出ていってしまったのだ。夏樹はむしゃくしゃする気持のあたりどころがなく、風どおしのよい縁側でねているねこのシロをけとばしておいて、そのはずみのようにどたんとその場にたおれた。ピストルのたまにあたった時の身ぶりである。泣きたいような気持だった。しかし泣いてみても、だれもいないと思うと本気で泣くこともできない。