Classici giapponesi con furigana
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ざっきょかぞく
雑居家族
壺井 栄
Leggi 雑居家族 (ざっきょかぞく) di 壺井 栄 (つぼいさかえ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 140.106 caratteri · 283 schermate
「おじちゃん、たばこのすいがら、ぼくとっといたんだよ。もうせん、おじちゃんとっといてくれって、いったろう。」
すいがらのことなどいい出されて兵六さんの胸をほろ苦い思いが走る。そのころの哀れな自分の姿を思い出しながら、
「もう、すいがらなんぞいいんだよ夏樹ちゃん。この通りおじちゃんも、新しいたばこが買えるようになったからね。ほれ。」
くしゃくしゃのしんせいを胸ポケットから出してみせ、ついでに一本すいつけて、道ばたにしゃがみ、気持よさそうに煙をはいた。その煙のむこうから買物がえりらしいワンピースにげたばきの若い女が近づいてきて、車の上の品物を一つ一つていねいに見ていた。その顔をまた夏樹が穴のあくほど見つめている。右へいったり、左へまわったりしてみているのだ。気づかれてじろっと一べつされたぐらいではひるまない。女は包丁さしと急須と、はたきと、小さな鏡とを買っていった。そのうしろ姿のまだ消えぬ間に夏樹は、
「兵六さん、おしえてあげよか。ね、あのおばさん、耳に丸いものぶらさげてたろう、あれね、耳たぶに穴なんかあけていないんだよ。はさんでるだけなんだよ。」
大発見だったらしい。