Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あめあがり

雨あがり

山之口 貘

Leggi 雨あがり (あめあがり) di 山之口 貘 (やまのくちばく) in giapponese con furigana. JLPT N3. Tocca una parola per il significato.

N3 · intermedio · kanji e kana moderni · 1503 caratteri · 3 schermate

Aozora Bunko

つまり、息子さんは、十何本という傘をなくしたわけなのだが、学校でなくしたり、電車のなかでなくしたり、あるいは、寄り道をした本屋の店頭でなくしたり色々で、行きも帰りも雨のときはとにかく、帰りが天気にでもなるものなら、まるで、そのときを見はからっていたみたいに、きっと、傘を棄ててくるとのことなのであったが、そのときそこに居合わせていた当の息子さんは、母親の言葉尻をつまみあげてみせるみたいに、「いくらなんでも、棄ててくるというのはひどすぎるよ。つい忘れてくるんだから仕方がないじゃないか」といって青筋を立てた。

すると、母親は母親で、「十何本もなくしちゃって、つい忘れるなんてよくいえたものだ。棄ててくるのとおんなじじゃないかね」というのであった。

ぼくは、そのことをおもい出しながら、ミミコの将来を案じないではいられなかった。

ある日の、雨あがりの午後、陽のさしこんで来た縁側に出て、ぼくらは、夫婦で、ミミコの合羽の噂をした。お天気になったのではまた、合羽のことを忘れてくるんじゃないかと気になったからなのだ。そこへ、風鈴が鳴りそこないみたいに鳴って、木戸の両側の紅葉の木が揺れたかとおもうと、ミミコが帰って来たのである。