Classici giapponesi con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
果せるかな。忽然川岸づたいに駈け来る一人の女がハタとわが足許に躓いて倒れる。抱き起しながら見遣れば金銀の繍取ある裲襠を着横兵庫に結った黒髪をば鼈甲の櫛笄に飾尽した傾城である。いかなる訳あって夜道を一人何処へといたわりながら聞く間もおそし、後から飛んで来る追手の二、三人、物をもいわず裲襠を剥取ってずたずたに引裂き鼈甲の櫛笄や珊瑚の簪をば惜気もなく粉微塵に踏砕いた後、女を川の中へ投込んだなり、いかにも忙しそうに川岸をどんどん駈けて行く。種彦はあまりの事に少時はその方を見送ったなり呆然として佇立んでいたが、すると今までは人のいる気勢もなかった屋根船の障子が音もなく開いて、
「先生。柳亭先生。お久ぶりで御座ります。」と親し気に呼びかける男の声。見れば濃い眉を青々と剃り眼の大きい口尻の凛々しい面長の美男子が、片手には大きな螺旋の煙管を持ち荒い三升格子の褞袍を着て屋根船の中に胡坐をかいていると、その周囲には御殿女中と町娘と芸者らしい姿した女がいずれ劣らずこの男に魂までも打込んでいるという風にしなだれ掛っていた。種彦驚き、
「これはお珍しい。貴公は木場の白猿子では御座らぬか。