Classici giapponesi con furigana
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あめしょうしょう
雨瀟瀟・雪解 他七篇
永井 荷風
Leggi 雨瀟瀟・雪解 他七篇 (あめしょうしょう) di 永井 荷風 (ながいかふう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 145.414 caratteri · 289 schermate
」と言った時、唸声がまた一層烈しくなったので、玉子は思わず格子戸の外へ逃げ出すと、重吉もつづいて外へ出ながら、
「隣り近処も、不断つき合いをしていないだろうからな。まア病気だか何だか、様子を見てからにしよう。」
勝手口へ廻って恐る恐る硝子戸を明けると、家の内のどこかについている電燈の光で、台処の板の間と茶の間らしい部屋との境に立っている障子際に、白髪を振乱して俯伏しになった老婆の姿が見えた。重吉は半身を外に、顔だけを硝子戸の内に突出して、
「おばさん、荒木さんのおばさん。病気か。」
老婆は唸るばかりで、殆ど人事不詳の重態であるらしい。しかしきちんと片付いている台処の様子を始め、そのあたりにも血の流れている様子は見えないので、重吉はやや安心して流口へ進入り揚板の上に半身を伸して、再び、
「おばさん、荒木さんのおばさん。」と大声に呼びつづけたのがやっと耳に入ったらしく、老婆は障子につかまって身を起そうとした。その顔を見て、重吉は思わず、「あ」と叫ぶと、外に立っていた玉子は何やら物に躓きながら潜門の外まで逃げ出した。老婆の顔は平生の二倍ほどにも見えたくらい一面に腫れ上って、目も鼻もなくなったようになり、口ばかりが片方に歪み寄っていた。