Classici giapponesi con furigana
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ゆきたたき
雪たたき
幸田 露伴
Leggi 雪たたき (ゆきたたき) di 幸田 露伴 (こうだろはん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 28.132 caratteri · 56 schermate
と云いかけて、一寸口をとどめた。主人と云ったのは此処には居らぬ真の主人を云ったことが明らかだったから、二人は今さらに心を跳らせた。
「実は、我が昵懇のものであるでの。」
と云い出された。二人は大鐘を撞かれたほどに驚いた。それが虚言か真実かも分らぬが、これでは何様いう始末になるか全く知れぬので、又新に身内が火になり氷になった。男はそれを見て、「にッたり」を「にたにたにた」にして、
「ハハハ、心配しおるな、主人は今、海の外に居るのでの。安心し居れ。今宵の始末を知らそうとて知らそう道は無い。帰って来居る時までは、おのれ等、敵の寄せぬ城に居るも同然じゃ。好きにし居れ、おのれ等。楽まば楽め。人のさまたげはせぬが功徳じゃ。主人が帰るそれまでは、我とおのれ等とは何の関りも無い。帰る。宜かろう。何様じゃ。互に用は無い。勝手にしおれおのれ等。ハハハハハハ、公方が河内正覚寺の御陣にあらせられた間、桂の遊女を御相手にしめされて御慰みあったも同じことじゃ、ハハハハハハ。」
と笑った。二人は畳に頭をすりつけて謝した。其間に男は立上って、手早く笛を懐中して了って歩き出した。雪に汚れた革足袋の爪先の痕は美しい青畳の上に点々と印されてあった。