Classici giapponesi con furigana
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ゆきやなぎ
雪柳
泉 鏡花
Leggi 雪柳 (ゆきやなぎ) di 泉 鏡花 (いずみきょうか) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 45.054 caratteri · 90 schermate
「卯の花。」
慌てて、言いそらして、
「曳船を、柳町を思い出します。」
「ねえ、お久しい……二十……何年ぶりですか。私は口不重宝で、口に出しては何にもいえはいたしません。」
「何をです。」
「いいえ、いいんです。」
「おっしゃい、云って下さい、そうでないと、狸になって、あなたの傘を持った手に、もじゃ、もじゃ。」
「あれ。」
「触りやしない。触りやしないが、ぶら下りかねないというんです。いって下さいよ。」
「ただね、あつかましいんですけど、片時も忘れはしませんと申す事。」
「ご同然……」
「……」
「以上です。」
「……」
「お冬さん」
「……」
「口をおききなさらなければ毛だらけの手が。」
「それこそ、狸ちゃんでいらっしゃる。」
「ええ、狸。」
「私をおだましなさいます。」
「はぐらかしちゃ不可ないなあ、時に、路地を出ましたね。」
下駄がしとって、燈が流れる。
「構いませんか、こんな事をして歩行いていて。」
「里うちですもの、お互に廊下で行逢うもおなじですわ。」
私は酒の胸がわくわくした。
「ところで、自動車の、あります処は。」
「手前どもの、つい傍だったんでございますけれど、少し廻道をしたんですよ。