Classici giapponesi con furigana
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うんなんしゅびへい
雲南守備兵
木村 荘十
Leggi 雲南守備兵 (うんなんしゅびへい) di 木村 荘十 (きむらそうじゅう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 37.859 caratteri · 76 schermate
店の者は年寄にそう云われて、怖々近づいて来た。
「旦那、ど、どうぞ御勘弁を、あなたがおいでになったとは知りませんもんでしたから……」
孫は黙ってその男をジロリと見たきりで、年寄の居る、隣の食卓の前にかけると、盲目の小孩を膝の上へ抱き上げた。
「おじさん、あ、有難う」
小孩は、抱きしめられた痛さに、顔をしかめながら、嗚咽とともに云った。
そして骨と皮ばかりの細い手で、怖々軍曹の佩剣に触れ革帯にさわり、逞しい腕に、そっと手をかけた。が、その手の甲にはらはらと落ちる生ぬるいものに、ぎょっとして見えぬ眼を瞬いた。
孫軍曹は泣いていた。いかつい肩が震えている。
「兵隊のおじさん!」
孫は、その怯ず怯ずした小孩の声をきくと、いきなり荒々しく肩をかかえ込んで顔を引寄せた。
「春生! お、俺が分らないのか」
「え?」
小孩は、自分の名を呼ばれてびくッと身体を硬くした。
「永才だ、春生ッ」
「ああッ」
小孩は刺されたように叫び、顔をあげて見えぬ眼で兄を見ようとしたが、わあーッと声をあげて泣き出しながら、孫の胸に顔をおしつけて身悶えした。
「春生、どうしてこんな所へ来たのだ……お母さんはどうした?」