Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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らいほうとうものがたり

雷峯塔物語

田中 貢太郎

Leggi 雷峯塔物語 (らいほうとうものがたり) di 田中 貢太郎 (たなかこうたろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 22.606 caratteri · 45 schermate

Aozora Bunko

「私もべつに用事はありませんが、毎日お邪魔をしてはすみませんから」

「御用がなけりゃ、どうかお入りくださいまし、さあ、どうか」

許宣はきまりわるい思いをせずに、白娘子に随いて昨日の室へ往くことができた。室へ入って白娘子と向き合って坐ったところで、小婢がもう酒と肴を持ってきた。

「もうどうぞ、一本の破傘のために、毎日そんなことをしていただいては、すみません、今日はすぐ帰りますから、傘が返っているならいただきます」

許宣はなんぼなんでも一本の傘のことで、二日も御馳走になることはできないと思った。

「まあ、どうか、何もありませんが、召しあがってくださいまし、お話ししたいこともございますから」

白娘子はそう言って心持ち顔をあからめた。それは夢に見た白娘子の艶かしい顔であった。許宣は卓の上に眼を落した。

「さあ、おあがりくださいまし、私もいただきます」

白娘子の声に随いて許宣は盃を口のふちへ持っていったが、何を飲んでいるか判らなかった。許宣はそうして自分の顔のほてりを感じた。

「さあ、どうぞ」

許宣は白娘子の言うなりに盃を手にしていたが、ふと気が注くとひどく長座したように思いだした。