Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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でんしんばしらとみょうなおとこ

電信柱と妙な男

小川 未明

Leggi 電信柱と妙な男 (でんしんばしらとみょうなおとこ) di 小川 未明 (おがわみめい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 2071 caratteri · 5 schermate

Aozora Bunko

ある町に一人の妙な男が住んでいた。昼間はちっとも外に出ない。友人が誘いにきても、けっして外へは出なかった。病気だとか、用事があるとかいって、出ずにへやの中へ閉じこもっていた。夜になって人が寝静まってから、独りでぶらぶら外を歩くのが好きであった。

いつも夜の一時ごろから三時ごろの、だれも通らない町の中を、独りでぶらぶらと歩くのが好きであった。ある夜、男は、いつものように静かな寝静まった町の往来を歩いていると、雲突くばかりの大男が、あちらからのそりのそりと歩いてきた。見上げると二、三丈もあるかと思うような大男である。

「おまえはだれか?」と、妙な男は聞いた。

「おれは電信柱だ。」と、雲突くばかりの大男は、腰をかがめて小声でいった。

「ああ、電信柱か、なんでいまごろ歩くのだ。」と、妙な男は聞いた。

電信柱はいうに、昼間は人通りがしげくて、俺みたいな大きなものが歩けないから、いまごろいつも散歩するのに定めている、と答えた。

「しかし、小男さん。おまえさんは、なぜ、いまごろ歩くのだ。」と、電信柱は聞いた。

妙な男はいうに、俺は世の中の人がみんなきらいだ。だれとも顔を合わせるのがいやだから、いま時分歩くのだ。