Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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しもばしら

霜柱

山本 周五郎

Leggi 霜柱 (しもばしら) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.328 caratteri · 29 schermate

Aozora Bunko

三

石沢が頷き、けいは立っていった。

「その時岡という足軽だが」と喜兵衛は続けた、「もう六十くらいのとしよりで、妻もいたし伜夫婦もいて、貧乏なもんだからなにかの内職をやっていたっけ」

「おまえは庭番だの足軽だのと、妙な人間ばかり知ってるじゃないか」

「そのとしよりが若いとき」と喜兵衛は構わずに続けた、「貰ってまもない女房が、同輩の足軽と密通している現場をみつけた」

三

八郎兵衛は怒った。まだ若かったし、新婚の妻に裏切られたのだから、五躰が消えてしまうかと思われるほど絶望し、怒った。しかし彼は思案した。たとえここで二人を殺しても、自分の面目が立つわけではなし、死んでしまう二人には一瞬の苦痛しかない。それよりも生かしておいて、じりじりと長い時間をかけ、自分の受けた絶望と苦しみを二人に返してやろう、と決心した。そこで、「現場を見たぞ」という意味を二人に悟らせただけで、なにもせずに放っておいた。――一年経ち、二年経った。二人の関係はその一度だけだったらしく、妻は哀れなほど従順に身を慎んでいたし、相手の男はやがて出奔した。八郎兵衛は妻を赦さなかった。けれども三年めに女の子が生れ、一年おいて男の子が生れた。