Classici giapponesi con furigana
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しもばしら
霜柱
山本 周五郎
Leggi 霜柱 (しもばしら) di 山本 周五郎 (やまもとしゅうごろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.328 caratteri · 29 schermate
「熊平という庭番は疑い深いとしよりだった」と喜兵衛は云った、「この世にある物、この世で起こることをなに一つ信じない、たとえばいま雨が降っているとすると、その雨を信じない、現に自分の着物が濡れていても、それが雨の降っている証拠だとは云えない、と云うんだ」
「話したいのはそのことか」
「まあ聞けよ」と喜兵衛は云った、「彼は自分の住んでいる小屋を信じない、湯呑を信じない、池を信じないし池の中で泳いでいる鯉を信じない、もちろん自分を信じないし、地面も天も、太陽も月も信じない、すべてはただそうあるようにみえるだけだと云うんだ」
「つまらない話じゃないか」と石沢が云った、「としをとると変屈になる人間はどこにでもいるものだ」
「しかし熊平のはただの変屈じゃない、なにも信じないということは彼にとってりっぱな信念だったんだ、或るとき梅林の脇にひきがえるがいた、おれは熊平を呼んでそのひきがえるを見せたのさ、すると熊平はそれをひきがえるだと信じない、おれはそこで棒切れでもってひきがえるの尻を突っついてやった、ひきがえるはもちろんのそのそ歩きだし、おれは熊平にどうだと訊いた」
「おまえの口まねをするわけではないが」