Classici giapponesi con furigana
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つゆのこたえ
露の答
Leggi 露の答 (つゆのこたえ) di Sakaguchi Ango (坂口 安吾) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 7237 caratteri · 14 schermate
家人が気付いて早々医師の手を加えたから危い命をくいとめましたが、大時代の出来事で、男を上げたのやら下げたのやら、とにかく賑かな騒ぎでした。五郎兵衛が一切の責任を負い累の四方に及ぶを避けるために腹を切ったという、事実検事の追及も有耶無耶に結局事件は不起訴に終りましたが、五郎兵衛の切腹は実は嘘です、なるほど五郎兵衛の腹中に脇差が差込まれてはおった、けれどもこの脇差は狂乱のお玉が突刺したので、之を切腹にしたのは咄嗟の五郎兵衛の機転でした。女中に腹を突刺されるという三面記事は醜態ですが、それにしても、丁度ハラキリが有っても良いときに背中ではなく腹を突刺された五郎兵衛は幸運でした、これは五郎兵衛の長男であり加茂家の当主たる人が目撃した事実ですから、間違いはない。
そのとき、五郎兵衛は落付いていた。傷口を片手で押え、家人に向って真相を口外するなと申し渡したそうですが、五郎兵衛が落付いているので、手の指の間から臓物がたれ落ちていても、家人は傷が浅いのだと思っていた。実は瀕死の重傷でした。五郎兵衛は血のたれる脇差を執上げて眺めすかしてバカめ、之は金比羅様(だか稲荷様だか)の参拝の道の茶店の床の間で見付けて二十五円(だかいくらだか)で買った安物だ。