Classici giapponesi con furigana
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あおバスのおんな
青バスの女
辰野 九紫
Leggi 青バスの女 (あおバスのおんな) di 辰野 九紫 (たつのきゅうし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.918 caratteri · 22 schermate
その夕方、更に鉛筆の走り書き、一封の女文字の手紙が僕に来た。それが例の女車掌、大西冬子嬢からであるには汗顔至極さ。彼女はいい加減、監督に油を絞られたらしく、昨日の無礼を詫び『今後叮嚀親切を旨として乗務致します云々』とある。――その乗務という車掌用語めいたものに、僕は如何にも職業婦人らしい文章を見たのであった。そして末尾に三銭切手が返してあるのだ。そうすると僕は二重取得になるから、僕の正義心が承知しないし、又車掌君のしおらしさが気の毒にもなって、切手の逆送に添えて挨拶状を出した。
『話がわかれば僕は敢て何とも思うものではない。唯心配なのは、僕が余計なことを抗議した為めに、あなたに対する会社の待遇、進級、賞与等に影響を及ぼす虞はないかということで、不幸にしてそんなことにでもなればお気の毒でお詫びのしようもない。云々』と書いてやったのである。この時ばかりは、女房御免の忠告者も亦、油を絞られた。
「可哀想に……若し馘首にでもなって御覧なさい。あなた、御自分の会社ででも引取って上げなければ申訳ありませんよ。それが出来ますか。あなたの責任だわ」なんてね。僕は一言もなかったのみならず、彼女が美人だということはにも出さなかった。