Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あおバスのおんな
青バスの女
辰野 九紫
Leggi 青バスの女 (あおバスのおんな) di 辰野 九紫 (たつのきゅうし) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 10.918 caratteri · 22 schermate
充分問題になるだろう。僅か五銭の差だと言いなさんな。金五銭出せば、溢れるような銭湯に入って、心身共に延び延びとなれるではないか。諸君は経験があるまいが、以て帳尻不足の銀行電話の口実にもなるし又以て債権者避けの楽天境でもある。――その五銭だから、僕の問題になる。殊に高い方のM百貨店は、僕の先祖代々碌を喰んだ北越百万石の領主が、東照神君の御霊詣での途次、お供先が往来の真ン中で、鳶の者と喧嘩になった為めに、殿様の万一を慮る家来が思案に暮れている矢先き、
「むさ苦しゅうは御座りまするが、手前共でおよろしければ……」と、要領のいい平身低頭したのが、御贔屓になる縁の初まりで、殿様が侯爵になってからも、邸内にM屋出張所を設け、毎日店員が伺候して新柄珍品を御覧に入れ、お料理して奉る玉子しか御承知のない、家附女房のお姫様に、生みたての地玉をお目にかけ、
「ああら、玉子とは丸いものかや。妾は初めて拝見しまする」と、下情に通じさせながら、毎月のお買上げ金二万円也も、可成り古いお噂さであるが、――その先祖以来、全く他人と思われぬ方が高いのだから、僕は早速、その店の休憩椅子に腰を下ろして「支配人足下」