Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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せいねんそうとえいざんのろうや

青年僧と叡山の老爺

若山 牧水

Leggi 青年僧と叡山の老爺 (せいねんそうとえいざんのろうや) di 若山 牧水 (わかやまぼくすい) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 5808 caratteri · 12 schermate

Aozora Bunko

そして言うともなく昨夜からの愚痴を言って、何処か爺さんの知ってる寺で、五六日泊めて呉れる様な所はあるまいか、と聞いてみた。暫く考えていたが、あります、一つ行ってきいて見ましょう、だが今起きたばかりで、それに御覧のとおり私一人しかいないのでこれからすぐ出かけるというわけにはゆかぬ、追っ附け娘たちが麓から登って来るからそしたら直ぐ行って問合せましょう、まア旦那はそれまで其処らに御参詣をなさっていたらいいだろうという思いがけない深切な話である。私は喜んだ、それが出来たらどれだけ仕合せだか分らない。是非一つ骨折って呉れる様にと頼み込んで、サテ改めて小屋の中を見廻すと駄菓子に夏蜜柑煙草などが一通り店さきに並べてあって、奥には土間の側に二畳か三畳ほどの畳が敷いてあるばかりだ。お爺さんはいつも一人きり此処にいるのか、ときくと、夜は年中一人だが、昼になると麓から女房と娘とが登って来る、と言いながら、ほんの隠居為事に斯んなことをして居るが馴れて見れば結局この方が気楽でいいと笑っている。小屋のうしろは直ぐ深い大きな渓で、いつの間にか此処らに薄らいだ霧がその渓いっぱいに密雲となって真白に流れ込んでいる。