Classici giapponesi con furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Leggi 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.593 caratteri · 325 schermate
なにか気持が落ち着かなかったが、しかしそこを出ても金策の当はないと思うと、半分やけみたいな気持で、交響楽が全部済んでしまうまで、じっと坐っていた。出ると、もう財布の中には一銭もなかった。長崎屋の前を通ると、にわかにはいってカステラを食べたくなった。番茶を貰って、日当りの良い窓側で啜りながら、四条通をぼんやりながめていたら、良いやろなと思った。そのために要る十二銭の金が無いことが、嘘みたいに悲しく、腹立たしかった。再び京極を抜け、寺町通の古本屋を軒並み覗いて廻った。「京屋」という古本屋で、赤井が欲しがっていたコクトウの「雄※(「奚+隹」、第3水準1-93-66)とアルルカン」を見つけ、記憶えて置こうと、値段など訊いた。いまここに十五円の金があれば、その本を赤井のところへ持って行ってやり、そして、一緒に「ヴィクター」へ行ってその本を見ながら、赤井の音楽論が聴かれるのやがと思った。御所の芝生へごろりと寝転んで改めて金をつくる方法を思案した。が、いつかうとうとと居眠りをした。わいはいま寝てる。昨夜の寝不足がたたって、えらい疲れて歯軋りして寝てる、そんなことを夢うつつに意識しながら、一時間ばかり眼をつむったり、人の跫音で眼を覚したりしていたが、いきなりこんな呑気なことをしてられへんと欠伸をして、立ち上った。