Classici giapponesi con furigana
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せいしゅんのぎゃくせつ
青春の逆説
織田 作之助
Leggi 青春の逆説 (せいしゅんのぎゃくせつ) di 織田 作之助 (おださくのすけ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 162.593 caratteri · 325 schermate
倒れるときちょっと頭をうったのは、それに興奮していたせいもあって脆くも意識を失ったのだが、かすり傷ひとつなかったのである。大袈裟に倒れたわりにかすり傷ひとつなかったという点で、豹一はますますしょげて、情けない状態になっているのを、多鶴子はかつ安心し、かつおかしいと思った。
多鶴子は殆んど夜通し豹一を「看病」した。じつは円タクの運転手からことのいきさつをきいていた。運転手のいうところによれば、撲った男は豹一に、「二度と再び『オリンピア』……」云々といったそうである。だから、運転手の想像によると、撲った男はいろおんなを豹一にとられたのか、それとも「オリンピア」に頼まれてやったのかどちらかだというのであった。それをきいて多鶴子はなにか自分の責任を感じた。だから、「看病」の義務はあると思った。ひとつには、女中が豹一を看病することに異常な情熱を見せたので、多鶴子はなにか気色を損じ、女中に任せきりで置くというわけにいかなかったのである。
可哀相に豹一は氷枕をあてがわれた。飛びあがるほど冷たかったのと、そんな風に病人扱いにされる恥しさのため、豹一は到頭熱を出してしまった。