Classici giapponesi con furigana
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あおふくのおとこ
青服の男
甲賀 三郎
Leggi 青服の男 (あおふくのおとこ) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.026 caratteri · 29 schermate
卓一君は何か他の事を考えて、あなたとの約束を忘れていた所、夜になって急に思い出して、こゝへやって来たという訳ですか」
「えゝ、あいつの事だから、もう矢も楯も耐らなくなって、こゝへ来ると、戸締りがしてあるのも構わず叩き破って這入ったんでしょう。その途端に狭心症を起したんですな。可哀想に」
そういって、信造は悲痛な表情をして卓一の屍体を眺めた。
「だが、よく似てますなア」警部は感嘆したようにいった。
「えゝ」信造はうなずいて、「よく間違われました。母同志が姉妹でして。ですから卓一君は小浜でなくて、北田というんです。僕とは従兄弟の関係がありますが、死んだ小浜の伯父とは全然血の繋りがなく、従って伯父の財産はそっくり僕が継いだんです。所が僕は全くの独りぼっちで、全然係累がありませんから、今の所、僕の相続人は卓一君で、僕が死ねば僕の財産はそっくり卓一君のものになるんですが、先に死んで終って――」
「俺ハア」とお徳が口を出した。「こゝにオッ死んでる人が、昨日昼来た人だとばかり思っていたゞよ」
「並べて比べて見ると、違った所があるんだがね」信造はお徳にいった。「初めての人ではそう思うのも無理はないよ。