Classici giapponesi con furigana
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あおふくのおとこ
青服の男
甲賀 三郎
Leggi 青服の男 (あおふくのおとこ) di 甲賀 三郎 (こうがさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.026 caratteri · 29 schermate
後は何の苦もなくスラ/\と白状しましたので」
「大した手柄だ」
「お賞めに与って恐縮です。奴の白状した所によると、つまりこうなんです。信造と茅ヶ崎の別荘で会おうと約束したのもその通りで、信造が別荘に行って待呆けを食って、むしゃくしゃして、夕方に別荘を飛び出したのも、やはりその通りなんです。六時三分の上り列車に乗ったのは、正真紛いなしの信造だったんです。それから先が違うので――立腹した信造はその足で直ぐ蒲田の永辻の家へ行って、居合した卓一を詰ったのです。所が二言三言いっているうちに、信造の顔色が変って、そのまゝそこへ斃れて終ったんです。信造は以前から心臓が弱くて、いつ狭心症を起すか知れない状態だったんです。無闇に腹を立てゝ、汽車から降りると、空腹のまゝ永辻の家へ駆けつけたりしたのが悪かったんでしょうね。
思いがけなく信造が死んだので、卓一も永辻夫婦も驚きましたが、こゝで三人は相談をして、卓一が死んだ事にして、卓一が信造になろうと決めました。卓一と信造とは元々よく似ていましたから、別荘の方を胡魔化すのは何でもありません。むつかしいのはアパートの方ですが、之も管理人に一寸顔を合すだけですから、どうにかやれると考えたのです。