Classici giapponesi con furigana
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あおきのしゅっきょう
青木の出京
菊池 寛
Leggi 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.513 caratteri · 43 schermate
それと反対に、近藤家から与えられる恩典の大部分は青木が独占した。が、雄吉はそうした自分の従属的な生活を、少しも後悔してはいなかった。思索家、青年哲学者としての青木に対する彼の崇拝は、少しの幻滅をも感じなかったばかりでなく、青木との交情が進むに従って、ますます拡大され、かつ深められていた。ことに、青木が三年になって以来、校友会の雑誌に続けざまに発表した数篇の哲学的論文は、彼の青木に対する尊敬を極度にまで煽り立てねば止まないものであった。一つは「ベルグソンの哲学の欠陥」といい、一つは「実在としての神」というのであった。その二つの論文が学校中に起した感動はかなり素晴らしいものであった。天才青木! それは、雄吉のクラスだけでの合言葉ではなくなって、ほとんど学校中全体にさえ承認を求めるようにまで進んでいった。雄吉は、青木の天才が、こうした輝かしい承認を受け始めたことを、どんなに驚喜したか、わからなかった。こうして、多くの人々から認められるにつけて、青木の自信と傲慢とは、正比例して増進していった。たしか彼が、近藤家へ移ってからのことであった。その頃、京都大学の哲学教授で、名声嘖々として、思想界の注目をひいていた北田博士が珍しく上京して、大学の講堂で講演をした。