Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

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あおきのしゅっきょう

青木の出京

菊池 寛

Leggi 青木の出京 (あおきのしゅっきょう) di 菊池 寛 (きくちかん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 21.513 caratteri · 43 schermate

Aozora Bunko

彼の顔は、一時さっと真っ赤になったかと思うと、以前より二、三倍も、蒼白な顔に返りながら、

「君、本当かい、主人が本当にそんなことをいったのかい」と、青木は哀願的に、ほとんど震えるばかりの声を出した。

「本当だとも、今から主人の前へ出れば分かることだ」と、雄吉は厳然としていった。彼はその瞬間、青木に対する自分の従僕的な位置が転換して、青木に対して、彼が強者として立っているのを見出した。彼は、それが快かった。

「あっ! どうしよう、俺の身の破滅だ」と、悲鳴のような声を出したかと思うと、青木は雄吉の目の前に顔を抱えながら、うつぶしてしまった。今までの倨傲な青木、絶えず雄吉を人格的に圧迫していた青木が、今やまったく地を換えてしまって、そこに哀れな弱者として蹲っていた。

「君はどうして、あんな非常識な、ばかなことをやるんだ。泥棒をやるのなら、なぜもう少し、泥棒らしい知恵を出さないのだ」と、雄吉は、青木と交際し始めて以来、初めて彼を叱責した。

「それをいってくれるな。俺のは、まったくふらふらとやってしまうのだ。俺は、そのためにいつかは身を滅ぼすと、思っていたのだ」と、そういいながら、彼はその蒼白な顔を上げた。