Classici giapponesi con furigana
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あおくさ
青草
十一谷 義三郎
Leggi 青草 (あおくさ) di 十一谷 義三郎 (じゅういちやぎさぶろう) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 6645 caratteri · 14 schermate
子と子が結婚して一群の孫が生れた。孫のうちで一匹怪しいのがいた。それを飼養しておいて今日試験したのである。彼はこの蜘蛛の完全な眼を一つずつ硝子針で潰した。そしてその怪しい単眼一つを残しておいてその視力検査をやったのである。
アルコホル漬けになってるのは祖父母と子夫妻であった。
「それでつまり。」と弟が兄の顔を見ながら言った。兄は少し赧くなりながら、
「つまり俺の子にも眇は生れないってことになるからなあ。」
「おめでたはいつでしたっけ?」
「なあに、まだまだだがね。」そして兄は硝子器の中の蜘蛛を窓から外へ抛りだした。
弟は少し憂鬱になって試験所の外へ出た。彼は兄の幸福などよりは今年納める税金のことの方が大事だと考えた。すると今見てきた蜘蛛が頭の中をがさがさ這廻るような気がした。彼はきゅうに腹立たしくなってピッピッと唾を飛ばした。
座敷へ帰ると、嫂が写真を持ってはいってきた。彼はそれを受け取ると微笑しながら机の上の手文庫の中へ抛りこんだ。文庫の中には彼の結婚の候補者の写真がいっぱいになっているのだった。
「あれですもの。」と彼女が言った。彼は硬ばった笑いを浮べながら寝転んだ。