Classici giapponesi con furigana
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ひぼんなるぼんじん
非凡なる凡人
国木田 独歩
Leggi 非凡なる凡人 (ひぼんなるぼんじん) di 国木田 独歩 (くにきだどっぽ) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 8449 caratteri · 17 schermate
足も立てられないような汚い畳を二三枚歩いて、狭い急な階子段を登り、通された座敷は六畳敷、煤けた天井低く頭を圧し、畳も黒く壁も黒い。
けれども黒くないものがある。それは書籍。
桂ほど書籍を大切にするものはすくない。彼はいかなる書物でもけっして机の上や、座敷の真中に放擲するようなことなどはしない。こういうと桂は書籍ばかりを大切にするようなれどかならずしもそうでない。彼は身の周囲のものすべてを大事にする。
見ると机もかなりりっぱ。書籍箱もさまで黒くない。彼はその必要品を粗略にするほど、東洋豪傑風の美点も悪癖も受けていない。今の流行語でいうと、彼は西国立志編の感化を受けただけにすこぶるハイカラ的である。今にして思う、僕はハイカラの精神の我が桂正作を支配したことを皇天に感謝する。
机の上を見ると、教科書用の書籍そのほかが、例のごとく整然として重ねてある。その他周囲の物すべてが皆なその処を得て、キチンとしている。
室の下等にして黒く暗憺なるを憂うるなかれ、桂正作はその主義と、その性情によって、すべてこれらの黒くして暗憺たるものをば化して純潔にして高貴、感嘆すべく畏敬すべきものとなしているのである。