Lettura giapponese

Classici giapponesi con furigana

ja-reading.com

Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.

あごじゅうろうとりものちょう

顎十郎捕物帳

久生 十蘭

Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.

N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 11.832 caratteri · 24 schermate

Aozora Bunko

……外出するからすぐ着換えを出せ、早くしろ」

と、地団太を踏んでわめき立てる。

顎十郎は、のっそりと座敷に上りながら、

「叔父上、なんの御用か知らないが、初午の日に笠森から使いがくるなんて、ちっとばかし眉つばものだ。こいつァ、化かされるにきまっています。悪いことは言わないからおよしなすったらどうです……どうせ、碌な目に逢いませんぜ」

と、例によってわけのわからぬことをいう。

庄兵衛は焦立って、続けさまに舌打ちをしながら、

「えッ、うるさい、なにをたわ言をつく。貴様の知ったこっちゃアない、黙っておれ」

「そうまでおっしゃるなら、お止めしません。せいぜい初午詣をして日頃の不信心の帳消しをするこってすな、なにか御利益があるかもしれねえ」

ぶつくさ言いながら、本箱から湖月抄を取り出して、ごろりと座敷へ寝ころぶ。本を読むのかと思ったらそうでなく、それで手拍子をとりながら、寝乱れ髪の柳かげ、まねく尾花の朝帰り……と小唄をうたい出した。

庄兵衛が呆れかえって、むっとふくれて出て行くと、入りちがいに花世が入って来た。顎十郎の枕元へ坐ると、きっぱりした声で、

「顎さん、父上はおっしゃいましたか」