Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 12.621 caratteri · 25 schermate
「金兵衛の宿は千歳町の川岸ッぷちだからつい目と鼻のさき。どうせもういちど御船蔵へもどらなくちゃアならねえのだからちょうど道筋です」
『坊主軍鶏』を出て大川端にそって行き、一ノ橋をわたると、すぐその橋のたもと。
船頭宿の常式どおり、帆綱や漏水桶や油灯などが乱雑につみあげられた広い土間からすぐ二十畳ばかりの框座敷になり、二カ所に大きな囲炉裏が切ってある。
門口からさしのぞくと、奥の壁ぎわに香華を飾り、十一の白木の位牌をずらりとならべ、船頭の女房やら娘やらが眼をまっ赤に泣きはらしながら百万遍を唱えている。
ヒクヒクと息をひきながら啜り泣いているのもあれば、髪をふりみだして涙びたしになっているのもある。いずれも眼もあてられないようすをしているうちに、たった一人だけ、しんと落着きはらっている女がいる。
ついこのごろ眉を落したばかりと見え、どこか稚顔の残ったういういしい女房ぶり。
ときどき眼へ手を持ってゆくが、それもほんの科だけ。悲しそうな顔はしているが無理につくったようなところがあって、どうもそのままには受けとりにくい。
顎十郎は、そっとひょろ松の袂をひいて、