Classici giapponesi con furigana
ja-reading.com
Leggi i classici giapponesi online con furigana. Filtra per livello JLPT, tocca una parola per il significato e traduci una frase.
あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 14.712 caratteri · 29 schermate
ひょろ松は、納得のゆかぬ顔つきで、
「……でも、それはチトおかしかないですか。……佐原屋が控え座敷で締め殺されたとき、誰ひとり椅子から立っちゃいないんです。……それに、佐倉屋のときにしてからがそうでしょう。佐倉屋はじぶんで艫へ立ってゆき、あとの三人は胴の間に坐っていてピリッとも動きはしなかったんです。それなのに、あの連中に下手人がいるのだとおっしゃるのは、いったい、どういう趣旨によることなんで……」
「世の中には、理外の理といって、人間の智慧では思いも及ばないようなこともある。おれにはうすうす見当がついているが、チトはっきりしかねる節があるので、八王子の柚木容斎先生のところへ猪之吉を飛ばせて、ちょっと物をたずねにやった」
「柚木先生というと、あの、西洋薬草園の」
「そうだ……猪之が間にあうように早く帰ってくれりゃアいいが。さもなければ、和泉屋はたぶん明けがたまでに殺られてしまう。……猪之吉の帰りがさきか、和泉屋が殺られるのがさきか、ここが、千番に一番の兼ねあいという場合なんだ」
「おッ、そりゃア大変……じゃ、いまの間に、なんとか、和泉屋を……」
「ところが、それがいけない。