Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.435 caratteri · 27 schermate
「おい、どこへ行く」
「なにを言ってるんだ、寝ぼけちゃいけねえ。ひょろ松、おれだ」
ひょろ松は、キョロリと見あげて、
「おッ、これは、阿古十郎さん、ちょうどいいところで。……お話はゆっくりいたしますが、今あっしに当身を喰わした奴がおりました。畜生、どこへ行きやがった」
とど助は、頭を掻きかき、
「ひょろ松どん、悪く思ってくださんな。あんたと知ったらやるンじゃなかった。なにしろ、辻、町角で咎められるンで二人とも業を煮やし、こんど出て来たら当身を喰わせて逃げようと、ちょうど相談が出来あがったところへあんたが飛びだして来たようなわけで……」
「いや、ようござんすよ。どうせね、わたしなンざ当身をくらってひっくりかえる芝居の仕出しなみ。文句を言えた柄ではありやせんのさ」
阿古長は、なだめるように、
「まア、そうむくれるな。いわば、もののはずみ。それはそうと、だいぶ手びろく手配りをしているが、いったい、なにがあったんだ」
ひょろ松は、すぐ機嫌をなおして、
「あなたもご存じでしょう、重三郎の伏鐘組。ついこのあいだあんな騒ぎをやっておきながら、またぞろ今夜大きなことをやりやがったんです」