Classici giapponesi con furigana
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あごじゅうろうとりものちょう
顎十郎捕物帳
久生 十蘭
Leggi 顎十郎捕物帳 (あごじゅうろうとりものちょう) di 久生 十蘭 (ひさおじゅうらん) in giapponese con furigana. JLPT N2. Tocca una parola per il significato.
N2 · avanzato · kanji e kana moderni · 13.984 caratteri · 28 schermate
「ここへ図取りがしてございます」
「おお、そうか、よしよし。じゃ、出かけるとしよう」
浅草橋からは、わずかな道のり。
手扇で陽ざしをよけながら、二丁目の角まで来ると、その角から河岸っぷちまで止め繩を張りめぐらして番衆が六尺棒を持って立番をしている。
ひょろ松は、番衆にちょっと声をかけておいて、十吉とふたりで焼跡へ入って行く。
京屋の塀が五間ばかり焼けのこっただけで、よくまあこう見事に焼けたものだと思われるほど。
家が古いのに、よく乾き切っていたと見え、梁も桁もかたちがなくまっ黒に焼けきった焼棒杭と灰の上に屋根伏せなりに瓦がドカリと落ちつんで、すこし谷のように窪んだところにまっ黒に焦げた吉兵衛の死骸が俯伏せになっている。
ひょろ松は、一間ほど離れたところに突っ立ってジロジロと眺めていたが、十吉のほうへ振りかえると、だしぬけに、
「おい、十吉、この死骸はどうしたんだ」
「どうした、とおっしゃると」
「誰か手をつけたのか、掘出したのか」
十吉は、首をふって、
「そんなことはしませんです、昨晩からこうなっているンで」
「それは、確かなことなンだろうな」
「確かも確かも。